2002.December.
映画の感想です。★〜★★★★はオススメ度
ロード・オブ・ザ・リング/エクステンディッド・エディション ロード・トゥ・パーディション アイリス 夜を賭けて
地獄の犬(さけび) 刑務所の中 未亡人館の惨劇 ペーパーハウス/霊少女
ベイビーブラッド マイノリティ・リポート スパイダーパニック! キス★キス★バン★バン
8人の女たち ガーゴイル


12/6ロード・オブ・ザ・リング/エクステンディッド・エディション★★★★★
30分の追加映像があるってことで、全く新しいシークエンスが追加されるとばっかり思っていたら、とんでもない!新たなシーンを、それまでのストーリーに追加する形で、再編集しているじゃないですか!すげー。期待していたロスロリアンの森の別れのシーンもしっかり描かれていたし、より物語がスムーズに流れている。さて、このDVDの映像特典、7時間以上あって、2枚に分けて収録されてるんだよね。いつ見ることが出来るんだ?!むー。


12/7ロード・トゥ・パーディション★★
一見、よく出来た映画のように見えるんだけど、何故か全然心に響いてこないんだよなぁ?トム・ハンクスがギャングに見えないとか、12歳になるまで、父親の仕事が何か知らない訳ないだろ?とか、ジェニファー・ジェイソン・リーとジュード・ロウが脇役過ぎるとか、まぁ、都合よすぎる展開がてんこ盛りで、逆に先が読めすぎるってのもあるだろうし・・・とにかく、この映画、出てくる人物のほとんどが、ミスジャッジを下し続けるというもの凄い展開なんですわ。事の発端は、息子が父親の後をつけたことなんだけど、その後、元凶であるボスの息子がとった行動、それに対してボスがとった行動、そして、もちろん父親がとった行動。そのすべてが自体を丸く収める方向に全く向かおうとしない。父と子という関係を保ちたいという父親のエゴが、ギャングの仲間同士の信頼を超えてしまったって感じだろうか?これは見ていて辛いっす。ギャングって血より濃い絆じゃなかったの??


12/7アイリス★★★
ジム・ブロードベントがアカデミー助演男優賞を獲ったってだけで、見に行ったようなものなんだけど、いやー見に行って正解でした。哲学者、小説家として成功を収めた妻が、アルツハイマーになり、徐々に言葉を、そして世界を失っていく。そんな妻を献身的に介護し、2人が出会ってからの日々を回想していく夫。開放的で、多数の男性経験を持つ妻と、奥手で、妻が最初で最後の女性と言う夫。そんな2人が、どうやって心通わせ、そして、最期の時まで寄り添っていられたのか。映画は静かに静かに、想い出を紡ぐように語りかけてくる。妻役のジュディ・デンチの若い頃をケイト・ウィンスレットが演じているんだけど、夫役のジム・ブロードベントの若い頃は、ジム本人が演じている・・・ってこの人、一体どっちが本当??アカデミー賞も納得。後で、実際の2人の写真を見たら、(この話は実話です)2人とも、特にジムが本当にそっくり!「エド・ウッド」でベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーに匹敵するほどそっくり!!(って、分かる?^^;)いや、まぁ、そんなことはこの映画では付加価値みたいなもんで、ラスト近くで、がけ下で、妻が夫に、とある言葉をつぶやくんだけど、そのシーンで、涙がぽろぽろと・・・ああ、この言葉を聞けただけで、きっと、この女性と一緒にいれて良かったと思うんだろうなって。もちろん、それまでともに歩んできた人生に不満は無いだろうけど、それ以上の、もっともっと深いところにある、彼が生きてきた意味が肯定されたような気がした。決して作りこんだ映画じゃないし、目新しい題材を描いた映画でもないけど、どんな大作よりも心に染みる映画だったなぁ。


12/15夜を賭けて★★☆
1953年の大阪、在日朝鮮人たちの集落を舞台に、"熱く生きる人たち"の生活をリアルすぎるほどリアルに描いている。とにかく主役の山本太郎が熱い!!体中から熱気が出ているかのように熱い!そして、その眼の力が火傷するほど熱い!彼と対照的に描かれるのが山田純大。こちらは、一転してクール。射すような視線と、凍りつくようなニヒルさ。山本太郎を突き動かしているのは、今の境遇から「逃げたくない」という衝動のみ。そこに至るまでにどんな人生を歩んできたのか、想像に難くないだけに、その思いは、堅く熱い。男女同権が叫ばれる世の中だけど、こういう映画を見ると、やっぱり男には男にしか出来ないことがあり、女には女にしか出来ないことがあるんだなぁと、改めて思う。これは、日本に居た在日朝鮮人の話ではあるけれど、決して、朝鮮人がそういう境遇に置かれた事に対して日本を糾弾する映画ではない。もちろん、そういう時代があって、そういう人たちが居たということは、記憶に留めておかなければいけないし、考え続けなくてはいけない事実だ。だが、それ以上に、人が生きるという事に対して、深く考えさせられた映画だった。山本太郎は、その熱さを体中で体現している。余りに時代が冷め過ぎて、熱く生きることが困難に思えるけど、ただがむしゃらに今の生活を"逃げない"ことが、熱く生きることになりえるんだろうな。


12/20地獄の犬(さけび)★☆
犬と書いてさけびと読ませる。うーん凄いねこのセンス(笑)犬にとり憑いた悪魔のせいで、妻と息子と娘が操られていく。一人残されたダンナは、その謎を探るべく、エクアドルの山中へと向かい、そこで恐るべき真実を知る・・ってなんだよそれ?いやー、びっくりだわ。まぁ、ぶっちゃけ犬版エクソシストなんだけど、その対決シーンが凄いの一言。エクアドルに住む呪術師に手のひらに書いてもらった紋章を、本来の悪魔の姿を現した犬にかざして、うぉー、へやーってやってたら、犬が突然燃え出して終わり。なんじゃそりゃー?!このシーンだけが見所って感じだけど、それだけでも見る価値あり。78年の映画でございました。


12/22刑務所の中★★★☆
実は崔監督の作品を見るのは初めてなんだよね。なんとも、のんびりしたテンポで、刑務所の中の様子を描写していく。特に何が起こるわけでもなく、ただ、刑務所の中のなんでもない出来事を、山崎努扮する「ハナワ」の視点から綴っていく。罪を償うために入っているはずの刑務所。様々な規律に縛られ、個人の自由など剥奪された世界のはずなのに、そんな中でも、いろんな楽しみが存在する。それを観ていると、その生活が非常に羨ましくなってくる。単調な日々の繰り返しの中で、普段は気付かない些細な事柄に気を向けられるようになる。日々、仕事に追われ、責任を感じ、がんじがらめになって暮らしている今の日常と比べると、どちらが幸せな生活なんだろう?刑務所にいる彼らの生活を見て、今の自分を見つめなおす。幸せを感じることが出来るはずの些細な事柄に、気付かずに過ごしてしまう。そんなスピードの中で何も気付かずに生きてしまっている今の自分を。


12/22未亡人館の惨劇★★☆
タイトルからして凄いよなー。なんだよ、未亡人館って(^^;娼婦の母親が何者かにハンマーで撲殺され孤児になった少女が、孤児院に入れられる。が、しかしそこでも不審な事件が続き、やがて、意外な事実が発覚する。少女の母親を殺したのは誰か?という謎と、孤児院で起こる不審な出来事の数々が絶妙に絡み合い、少女を追い詰めていく。そして訪れるラストのどんでん返しにはマジでびっくり。おいおい、最近でこそ、そういう反則なオチは増えたけど、70年の映画でそんなとんでもないラストを用意していいのか?!って感じですよ。二つの事件が少女を中心に絡み合い、やがて隠された謎が発覚する。その時の少女の驚愕の姿!そりゃ、そんな事実、気も狂わんばかりに笑うってば。凄すぎ。


12/22ペーパーハウス/霊少女★★★☆
「キャンディマン」「ベートーヴェン/不滅の恋」のバーナード・ローズ監督のデビュー作。少女がスケッチブックに描いた絵が、次々に夢の中で現実になっていく。広い荒野に建つ一軒の家。そこに一人で住む足の不自由な少年。眠ったり意識を失うたびに、彼と出会い、徐々に夢と現実の境が曖昧になり、少女の精神が壊れていく。やがて少年の正体が明らかになり、少女の父親に対するトラウマまで、夢の世界に影を落とし始める。はっきりいって、傑作。夢の世界に出てくるトラウマに包まれた父親の姿なんて、本当に怖い。思春期の少女の揺れる思いが、こういう形で克明に描写できるのか!最後の最後で訪れる意外なクライマックスは、恐怖と高揚感が入り混じっていて、非常に美しい。そこから一歩踏み出した先にあるであろう世界への期待と、踏み出した瞬間に現実の世界を失ってしまう恐怖。なんのCGも使わずとも、こんな映画が出来るんだなぁ。揺れ動く少女の心を描いたという点で、「乙女の祈り」に近いかも。


12/23ベイビーブラッド★☆
珍しいフランス産のスプラッター映画。悪魔のとり憑いたヒョウにレイプされたサーカスの猛獣使いの女。妊娠した彼女は、その腹に宿った胎児に命令されるままに人を殺し、その血を飲み続ける。そして、ついに悪魔の子供が此の世に生まれ出る・・・んだけど、まぁその悪魔っつうのが、人間が此の世に生まれ出る前から存在していた生命で、人間の体内より生まれ出でて、新たな進化の過程を辿り、人間にとって代わろうとする生命って設定。で、劇中で、女が胎児に、その取って代わられるのはいつになるの?って聞くんだけど、それが50億年後だそうで・・・それまで、海に戻って、進化していくそうで・・・いいよ、生まれて。勝手にゆっくりと海でどんな姿にでも進化してください。もうそんな先の話なんて、うちらには関係ないから・・・と、まぁそれなりに血の量もあっていいんだけど、基本的な設定で大間違いしてるよーな映画でした。関係ないけど、胎児と会話する女を観てると、自分の怪物と化したチン○と話すって「ブレインダメージ」って映画を思い出しちゃった。なんか似てるよ、この二つ。


12/23マイノリティ・リポート★★
うーっむ。もうそろそろこういうバジェットムービーって、限界にきてるのかなぁ?面白いけど、退屈しないけど、それは話が面白いからじゃなくて、映像の凄さに圧倒されているだけ。A.I.の時もそうだったなぁ。じゃあ、この映像に飽きてしまったら、次はどんな映像を見せてくれるの?って。それに、こんなに長い映画にしなくてもいいと思う。2時間半もかけなきゃ描けない物語かなぁ?スピルバーグは、もう一度短編からやり直すべきだね。そろそろトワイライトゾーン2でも撮っとく?


12/28スパイダーパニック!★★★
速い!でかい!多い!もう、この手の昆虫パニックモノとしては至れり尽せりの内容で、大満足ですよー。10年ぶりに田舎町に戻ってきた青年。昔憧れていたものの、結婚してしまっていた女は別れてシングルに戻っていた。どうやって、愛を告白しようかと思っていたらクモが!!そしてクモ、またしてもクモ、でかいぞクモ、速いぞクモ、エエ加減にせぇっつうのクモ、にゃーにゃー鳴いてんじゃねーぞクモ。んでもって、なんとかハッピーエンドだ。でも、いっぱい人死んだなぁ・・・いいのか?


12/29キス★キス★バン★バン★★★☆
初老に差し掛かり、腕の衰えを感じリタイアを宣言した殺し屋。彼が殺し屋を廃業して初めて受けた仕事は、ベビーシッターだった。しかしその子供は、30年間一度も自分の家から出たことのない大きな男だった!彼を外に連れ出し、外の世界を見せて回るが、そこに殺し屋の仲間だった奴らが、彼らを狙い始めて・・・イギリス映画らしい、ちょっと間の抜けたようなテンポが心地いい。大きな子供役のクリス・ペンが可愛すぎる。殺し屋役のおじちゃんはその対極で渋すぎるし。物語は、思ったとおりに進んでいくが、突然、予想外の展開を迎える。ここからネタバレ→(マウスでなぞれば文字が出てきます)もし、ババが彼と出会わなかったら、一生あの部屋の中で安全に暮らせたかもしれない。でも、そんな人生に何の意味がある?ババは彼と出会うことで人生の意味を知り、一生分の楽しみを知り、笑顔で死んでいった。外に出た彼は、彼に触れた人たちの心に残り、ずっと生き続ける。それだけでよかったなんて言わないけど、少なくともあのまま一生を部屋の中だけで過ごすよりは幸せだったはずだ。


12/318人の女たち★★
よかった、ちゃんとオチが付いて(笑)8人の女たちが繰り広げる殺人ミュージカル。殺された一人の男と、8人の女たち。縺れすぎた糸を、映像と音楽で解いていく。次々と明らかになっていく関係は、泥沼を通り越して底なし沼。それでも明るく楽しく、女の恐ろしさをたっぷりと振りまいて、振りまきすぎちゃったって感じやね。怖いにもほどがある。とりあえず、フランソワ・オゾン監督初体験。才能はしっかりありそうですね。


12/31ガーゴイル
一年の締めくくりがこれか・・・ワースト1を決めかねてたけど、ダントツだな、こりゃ。セックスをすると相手を殺してしまう病気を患っている男と女。離れ離れになってしまった男は、妻をめとり、新婚旅行先で、女を探す。だから何?ってか、そういう話の骨格を知ってないと、意味わかんねーって。一体どういう理由で、男は妻とベッドインしても、盛り上がって来たら一人でトイレに駆け込んでオ○ニー。妻は、あなたどーして?って泣きながら扉をどんどんって、何?笑い話?そーじゃなさそうだけど・・・とか何とかやってるうちに映画終わってるし。あー、もう何を描きたかったのかさっぱりわからん!!久々に腹立ったね。




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